2016年3月7日

紙の劣化

 酸性紙問題という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

 現在では、中性に近い紙が一般的になっていますが、1850年代頃から作成された酸性紙と呼ばれる紙は、インクの滲み止め剤の定着剤として使われた硫酸アルミニウムが紙の中で水と反応して硫酸を生じ、紙を酸性にし、紙の繊維を傷め、最終的には紙をボロボロに劣化させてしまいます。

 環境によっては、50年程でボロボロになったという話もあるようです。

 しかし、こうした酸性紙の中にも、貴重な書籍や重要な行政文書が存在します。
 劣化が進む前に、マイクロフィルム化や電子化等の見読性確保のための対策、保存環境の改善や保存容器の検討等が急がれます。